柯旗化故居
演劇『ユートピアにて』

制作に至るまで

柯旗化の旧居を、人権を象徴する高雄の代表的スポットとし、人々の民主的な価値に対する意識を高め理解を深めるために、高雄市立歴史博物館は演劇『ユートピアにて』を制作しました。戒厳令が布かれていた当時の緊張感と、白色テロにより命がおびやかされ痛めつけられた受難者の経験、妻子との別れなどの不幸を演劇という形で今に再現します。人権の価値と尊さをしっかり伝え、ひいては参加者の共感や過去への反省を引き出します。台湾における人権の過去と未来に是非関心を持ってください。

演劇スタイル

演劇作品『ユートピアにて』は柯旗化の自伝『台湾監獄島―繁栄の裏に隠された素顔』を基にした体験型演劇(イマーシヴ・シアター)です。各回につき1名のお客様のみに入場・観劇いただくというスタイルで、お客様ご自身に劇の登場人物になっていただきます。俳優とお客様の直接の対話ややり取りを通して、柯旗化が白色テロの時期に経験した誣告(ぶこく)、拷問、監禁そして命拾いして帰ったことをじっくり体験していただきます。

劇名の由来

柯旗化は、刑期満了による出所後は台湾の本土文化の保護と自由・民主の支援に全力を捧げました。その人生経験を、小説・詩・政論など異なるスタイルの文学を通して台湾のために自由の声を上げたのです。演劇『ユートピアにて』の大枠は柯旗化の詩『我不能夢遊仙境』(ユートピアには行けない)から来ています。原作は次の通りです。

『ユートピアには行けない』
100回も聞いた心動かされる甘い言葉を
101回も観た魅惑のステージを
過去のことはもう全て忘れてユートピアに行こうか

数十年來幾度鞭で打たれたことだろう
ただ私がこだわったためにここが私の故郷であると
ただ私が望まなかったために密告者となることを
歯を食いしばり熱い涙を
腹の中に呑み込んだ
だが私の肉を打つあの忍び難き苦痛
私の心を刺すあの堪え難き侮辱
私がこの目で見たあの地面の鮮血
どれもまるで昨日のことのように
傷は相変わらずこれほどまでに痛み
私を永遠にユートピアに行かせてはくれない

台所
寝室
倉庫
『ユートピアにて』初演日 2016年12月2日

人権劇場からVRへ

『ユートピアにて』は私たちの心を引き込み人権問題と向き合わせます。そのため、高雄市立歴史博物館はさらにVR(バーチャルリアリティー)による映像を作成しました。劇場での上演はそのままに、人々の心に訴えかける力を設計の主軸とし、演劇の現場をVRという現代的な科学技術と結合させた初の試みとなっています。多くのお客様や次世代の方に台湾という土地でかつて隠蔽されていた歴史の一コマをご理解いただき、強い意志で言論の自由を勝ち取った柯旗化の努力と犠牲に感謝をささげます。

公開時間:オフィシャルサイトの「最新情報」で告知いたします。
VR設備ご利用時のご注意:

  1. 内容に一部残酷な描写がありますので、12歳以下のお子様はご使用をご遠慮ください。
  2. ヘッドセットはご使用の前後に毎回クリーニングをしておりますので、安心してご利用ください。
  3. 故意、あるいは無意識のうちに設備を壊した場合は、価格に応じて弁償していただきます。
  4. 観賞後にめまいや耳鳴りがするなど体調がすぐれない方は、すぐに現場スタッフにお申し出ください。
  5. 主催機関は日にちや現場の調整・変更の権利を有します。